教育ビジョン
~Vision~
専門分野を持ちながら
地域のニーズにも応えられる総合内科医を育成する。
私たちの目標
医師には大きく3つの柱が必要です。
それは「診療」「教育」「研究」。
私たちはこの3つの柱にバランスよく取り組み、
呼吸器病学・臨床腫瘍学の発展に努めます。
診療
信頼されるチーム医療体制の確立
高度先進医療、臨床試験など、オリジナリティーの高い診療の追及
教育
学生と同じ視点、視線から常に考え、疾患や病態生理のミニマムエッセンスを伝える
研修医・レジデント教育は、「優しさと熱意」をテーマとして取り組む
研究
トランスレーショナルリサーチの推進
他学部、他施設との共同研究の推進
私たちのスローガン
Slogan 01 |
Slogan 02 |
Slogan 03 |
医学には行動が必要 |
行動には対話が必要 |
対話がチーム医療の原点 |
現代医療のプロフェッショナリズムとは、メンバー各自が明日は今日よりもさらに良い診療、教育を提供し、研究を進めていこうと日々考えをめぐらせて進歩していく、信頼と尊重のチーム医療だと考えます。
そして、理想的なチーム医療は信頼、尊重、改革の3要素からなりますが、その3つには対話が大切です。みなさんには、とにかく身体に気をつけ、医業というこの素晴らしい職を楽しんでいただきたいと思っており、そのお手伝いが少しでもできればうれしく思います。
初期研修でのメリットと後期研修までの流れ
初期研修で呼吸器・化学療法内科を選択するメリット
- 画像診断(胸部X線、CT)が学べる
- 国内最高レベルの気管支鏡検査手技が学べる
- 気管支喘息、COPD、間質性肺炎、慢性咳嗽などの一般的な呼吸器患者への初期対応が学べる
- 感染症診療の基本的な考え方と、抗菌薬の使い方について学べる
- 呼吸器管理の実際について学べる
- 抗がん剤治療の実際(肺癌、乳癌)について学べる
- 抗がん剤の副作用管理について学べる
- 腫瘍内科医として必要な知識と方向性について学べる
- 終末期医療について学べる
- 睡眠医学について学べる
後期・専門医研修
- 国内最高レベルの施設での呼吸器内科、腫瘍内科研修
順天堂大学/国立がん研究センター/神奈川県立がんセンター/神奈川県立循環器・呼吸器病センター - 県内最高レベルでの呼吸器研修
島根県立中央病院/浜田医療センター - 内科学会認定内科医、呼吸器学会専門医、がん薬物療法専門医の受験資格が最短期間で取得できる
- 大学院は、臨床を行いながら学位取得を目指すことを、各人の希望に沿って指導
後期・専門医研修に際して
新規に入局する先生方には十分な研修を行っていただき、各種専門医、学位を取得してもらってから、質の良い呼吸器内科、腫瘍内科医となったのち、大学あるいは島根県呼吸器・臨床腫瘍学関連病院へ勤務していただきます。
海外留学を希望する者は、学位取得が見込まれたのちに相談に応じます。概ね学位取得直後から2年後の間に留学可能。
呼吸器内科学の発展のために
呼吸器疾患を年齢から分類すると、比較的若い年代から認められる気管支喘息、中年層から発症する睡眠時無呼吸症候群、特発性間質性肺炎、高齢になるにつれ増加する肺癌、慢性閉塞性肺疾患(以下COPD)、全年齢で認められる肺炎に大別されます。
この20年間で、呼吸器疾患の質が大きく変わりました。増加の一途をたどっていた肺癌が、1998年にがん死亡原因の第一位となり、現在は高齢者肺癌が特に増加しています。吸入ステロイドの普及と共に、入院を要する重症気管支喘息発作の頻度も低下しました。人口の高齢化によって、老年病である誤嚥性肺炎の発生頻度が増加し、高齢化が進む地方部では、大学病院においても誤嚥性肺炎患者が常時入院病床の一部を占めるという事態が発生しています。現在、当大学病院の呼吸器・化学療法内科においても、入院患者の60%が肺癌、残りを高齢者肺炎、種々の呼吸器疾患(多くは慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎)に伴う呼吸不全患者が占めています。
一方で、これらの呼吸器患者のほとんどは喫煙者であり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)が増加しています。COPDは、呼吸機能障害にもとづく、呼吸不全が疾患主要部分であると考えられがちですが、実は、死亡原因は肺癌や心血管系イベントによることが多く、肺の慢性炎症による、全身性疾患であることが注目されています。
2013年の原時点で、日本の死亡原因の第3位が肺炎、9位がCOPD、1位が悪性腫瘍(悪性腫瘍の中では肺癌が1位)で、肺癌は単独でも6位に位置します。日本人の死亡原因は3人に1人が呼吸器関連疾患となりました。したがって、21世紀の呼吸器病学は喫煙習慣と人口の高齢化をベースにした、呼吸器生活習慣病と呼ぶべき3つの致死的疾患1)慢性閉塞性肺疾患(COPD)、2)肺癌、3)高齢者肺炎の予防、早期診断と治療に取り組むと同時に合併、並存症の診断、専門医、かかりつけ医との連携が非常に重要となります。
当科では呼吸器病学、感染症学、腫瘍内科学をベースとした、総合内科医の育成に取り組み、1人の患者さんを疾患横断的、全人的に診療する力を養いたいと考えています。
臨床腫瘍学の発展のために
日本人の死亡原因の第一位である「がん」は、今や2人に1人が何らかのがんに罹患し、3人に1人が癌死を迎える時代に突入しました。もはや、がんは身近な病気と言えるでしょう。わが国では、専門医不足、医学部での教育体制整備、臨床研修中の指導体制の遅れなどから、患者さんや家族へ十分に満足していただけるがん診療が行われているとは言えません。特に、病院、地域格差もクローズアップされ、がん治療の「均てん化」として、日本全国で、高いレベルのがん診療が受けられることが切望されています。
平成19年4月にがん対策基本法が施行され、患者さんの求めるがん医療が行えるように、全国のがん診療連携拠点病院を中心に進めていくことになりました。そのためには、不足するがん薬物療法専門医、放射線治療医、緩和ケアなどがん治療の専門家の育成が不可欠ですが、国のがん対策の1つである文部科学省の平成19年度予算・がんプロフェッショナル養成プランに、鳥取大学、広島大学、島根大学が連携する『銀の道で結ぶがん医療人養成コンソーシアム』が採択されました。この養成プランによってがん専門医療人育成の基盤が形成されました。平成24年からは、がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン(文部科学省 大学改革推進事業)に、『ICTと人で繋ぐがん医療維新プラン』が採択され、順天堂大学を幹事大学に、島根大学、鳥取大学、岩手医科大学、東京理科大学、明治薬科大学、立教大学の7大学が連携してがん専門医療人を養成する広域連携プランで、従来の大学の枠組みを超えた養成システムであります。私たちは、島根大学のコーディネーターとしてこの国家事業を推進しています。詳細に関しては下記ボタンからホームページをご参照ください。