沖本先生留学記 12
近況報告12
2019年12月27日
オハイオ州立大学
沖本 民生
早いもので2019年も残すは数日となってしまいました。渡米から1年が経過し、こちらの生活にも慣れ、友人もでき、快適な生活を送れるようになりました。この留学をサポートしてくださっている皆様に感謝しながら、1年を振り返ってみたいと思います。
まず、研究に関しては、ゆっくりながらも自分のテーマを進められるようになったのが夏前くらいです。自分のペースで仕事ができるようになるのに半年は十分にかかりました。使ったことのない機械の使い方を教えてもらう、会ったことのない共同研究者を紹介してもらう、昔いたポスドクがどこかの冷凍庫にしまったはずの試薬を探す(結局見つからなかった)など、ラボマネージャーに協力してもらいつつ、実験の環境を整えていくのに予想以上に時間がかかりました。最近になってやっと面白い実験結果も少しずつ出てきました。論文にできるだけのデータを集めるのは大変ですが、毎日楽しく実験しています。
次に英語に関して。日常生活で困ることはほぼありません。これは英語が上達したからではなく、使うことがあまりないからです。Good morning. How are you? Good night. Thank you.これが笑顔で言えれば生きていけることを学びました。あとは片言の英語と身振り手振り、メールで何とかなってしまいます(電話は苦手です。)。ただ、先日とある学会のfellowshipに応募したのですが、英語で記載しないといけなかったので困りました。ラボマネージャーに英語を直してもらいましたが、書いている内容は同じでも、直し前後を比べると見違えるように読みやすくなりました。ラボマネージャーはいい人なので、「アイデアはすでに書いてあるから、英語を直すだけ。簡単な作業だよ!」と言ってくれましたが、校正に数日かかりました。私の意図するところを汲み取ってきれいな文章にするのは大変だったと思います。
生活に関して。一人暮らしなのでセットアップも特に問題なく済みました。もし子供が一緒に来ていれば学校とのやり取りなど大変だったと思います。留学を考えている人は費用について知りたいと思いますので、少し書いておきます。電気代は冬が高くて100-150ドル、春から秋にかけては40ドルから60ドルです。12月から急に寒くなるので電気代も急に上がります。水道代は下水道代とごみ処理費用込みで約50ドルです。この水道代が曲者で、明細に記載されている水道使用量と自分の感覚が全く合いません。引っ越してきたばかりの1月は毎日1000L以上の水を使っている計算だったり、5月から8月は0Lだったり(料金は0ではない)、意味が分かりません。1日1000Lの水なんて使うはずがないので水道会社にメールで問い合わせましたが、「ウォシュレットを付けてるからそんなに水を使ってるんじゃないの?」と返事が来ました。そんな1日中お尻洗ってないわ、と言い返そうかとも思いましたが、アメリカンジョークなのか本気なのか分からなかったのでやめました。ガスは使っていません。その他、食費200ドル、交際費50-100ドル、テレビ+インターネット100ドル、携帯電話40ドル、医療保険100ドル、自動車保険150ドル、ガソリン80ドル、家賃1000ドル程度が特別贅沢をしなくてもかかります。
サンクスギビングデーとクリスマスは友人の家族パーティーに呼んでもらい、楽しく過ごすことができました。こちらのクリスマスは日本のお正月に近いです。家族みんなが集まって一緒に過ごします。お店も全部閉まっています。そんな日に私を家族のパーティーに呼んでくれた友人に感謝です。また、日本で診療・研究・教育で猫の手も借りたいほど忙しいのに私を米国に送り出してくださった先生方にも感謝です。そして、何よりも子供3人の面倒を一人で見ながら仕事も頑張っている妻に感謝です。一人一人を挙げていくとキリがないのでここまでにしますが、この場を借りてお世話になっている皆様に感謝申し上げます。
今年も1年間ありがとうございました。皆様にとって来年がさらに良い年になりますように。良いお年をお迎えください。
今後ともよろしくお願いいたします。
おまけ写真